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研究紹介」のページの中で用いられているバイオテクノロジーに関する用語(バイテク用語)について、専門以外の方にもわかり易いように解説しています。
 
あ行か行さ行た行な行は行ま行や行ら行わ行
あ行
 
アグロバクテリウム法
外来の遺伝子を植物体に導入する方法の一つで、遺伝子導入の際に植物病原菌の一種である根頭がん腫病菌(アグロバクテリウム)を用いるのでこう呼ばれている。現在最も一般的に行われている遺伝子導入法である。
 
アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)
植物体内に存在している過酸化水素を除去する酵素。植物体内の過酸化水素を除去し、その毒性によって植物が障害を受けるのを防いでいる。APXを持たない植物は、生育が遅くストレスに弱いことがわかっている。
 
雨よけ土耕栽培
ビニルハウスの側面がなく、屋根の部分だけ覆った栽培法。雨を防ぐことができ、土壌水分の管理が容易となり、トマトの裂果や病気の被害を抑える効果がある。
 
一代交雑品種(F1)
形質の異なる両親の間で交配して得られる雑種の第一世代のこと。雑種強勢と呼ばれる両親の遺伝子の相乗効果により、両親よりも優れた形質が現れ、収量が増加する。現在、市場に流通している野菜の多くは一代交雑品種である。
なお、一代交雑品種は、その代限りしか優良な形質を表さず、その株から種子を採って栽培すると、親とは異なった様々な株が現れる。
 
石ナス果
ナスは、基本的には一つの花の中で、雄しべから出た花粉が雌しべについて受精し、種子が形成されて正常に果実が肥大する。しかし、低温期には、異常花粉が多かったりして正常な受精が起こらないことがあり、種子が形成されないため、落花したり、着果しても正常には肥大せず小さな丸い堅い果実となる。これが石ナス果である。石ナス果の出やすさは品種により大きな差がある。
また、これを回避するためには、開花当日にトマトトーン50倍液をスプレーで花に噴霧してやると、着果ホルモン効果により正常に果実が肥大する。
 
遺伝子診断法
遺伝子配列中に書き込まれた遺伝情報の違いをベースに、特定の遺伝子(病気に関連する遺伝子など)の有無や構造の変化を調べて診断する技術のこと。植物のウイルス病では、病気を引き起こしているウイルスを特定するために利用される。
 
遺伝子配列
遺伝子すなわち、DNAの配列情報を表している。通常はDNAの中に含まれる塩基の順番で表され、塩基配列のことを指す。
 
遺伝子領域
遺伝子が集まっている部分で、機能性タンパク質に翻訳される場合やそうでない場合もある。また、その機能が明らかにされていない領域もある。
 
塩基配列
遺伝子を構成するデオキシリボ核酸(DNA)は1種類の糖リン酸と、4種の塩基〔アデニン(A)シトシン(C)グアニン(G)チミン(T)〕のいずれか一つからなるヌクレオチドが鎖状につながって構成される。DNAの担う情報は、それぞれの鎖に並んだヌクレオチドの順序によって暗号化されている。このヌクレオチドの順序のことを塩基配列と呼ぶ。
 
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か行
 
害虫忌避効果
害虫が近付かない効果を示す。トリプシンインヒビターは害虫のもつ消化酵素(トリプシン)の働きを阻害するので、害虫はトリプシンインヒビターを含む部分を食べるのを嫌う。
 
過酸化水素
活性酸素の一種。植物体内では光合成により二酸化炭素からデンプンが合成されるが、過酸化水素はこの反応をストップさせてしまう。また過酸化水素とスーパーオキシドが反応すると、より有毒な活性酸素が発生する。
 
活性酸素
酸素が変化してできる有毒な物質。あらゆる生物の体内で、酸素を利用する際に副産物として発生する。活性酸素は、生体を構成する物質と反応してこれを破壊してしまうため、生物にとっては有害である。ヒトを初めとする動物では、活性酸素は老化やガンの原因であると言われている。植物では、活性酸素の毒性によって光合成がストップし生育阻害や枯死の原因となる。
 
カプサイシノイド 
トウガラシの辛味成分の総称で、トウガラシには主にカプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシンおよびホモジヒドロカプサイシンが含まれる。品種によっても異なるが通常カプサイシンとジヒドロカプサイシンが辛味成分の約80〜90%を占める。
 
干渉効果
一つのウイルスに感染した植物は同種のウイルスには再感染しない現象。その機構はまだ明らかとなっていない。弱毒ウイルス(植物ウイルスワクチン)の利用は、この干渉効果を利用した防除法である。
 
機能タンパク質
機能を持つタンパク質の総称。例えば、酵素や転写調節因子などのタンパク質は、他のタンパク質、核酸、などの生体高分子と相互作用し、特定の機能を発揮することが広く知られている。
 
強毒ウイルス
ウイルスは、核酸(DNAあるいはRNA)と、それを保護する殻(外被タンパク質)から成る。ウイルスは、自身のみでは増殖できず、感染した宿主の代謝経路を利用して増殖する。抗ウイルス剤農薬の開発が困難であるのはこのためで、ウイルスをやっつけようとすると、感染している生物までもやられてしまう。強毒ウイルスは、非常に強力なウイルスというわけではなく、弱毒ウイルスに対して通常のウイルスのことをそう呼んでいる。
 
形質転換植物
外来の遺伝子を目的植物へ導入し、それによって性質が変化したり、新たに加わった植物。
 
系統 
作物の特性を評価する際、多くの形質は栽培環境によって大きく影響を受ける。したがって、1個体を対照にした評価では正確に特性を把握できないため、「同じ個体あるいは集団から得た次世代の集団」を系統として扱い、その系統を集団で栽培(系統栽培)して形質を評価することにより特性を把握する方法をとる。
 
系統間交雑
通常は、雑種強勢効果を高めるため、両親には異なった形質をもつ系統を組み合わせて一代交雑品種(F1)を育成する。これに対して、果実の形質を変えたくない場合など、果実は同じだが、草姿が少し異なる系統の間で交雑させて種子を得ることをいう。
 
ゲノム
ゲノム(genome)とは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)との造語で、生物が機能的に調和のとれた完全な生活を営むうえで必要最小限の遺伝子を含む染色体の1セットを示す。
 
ゲノム解析
ゲノム上のDNAの塩基配列情報を分析することにより、生命活動に関わる多くの情報を得ることができる。当センターでは育種を効率的に行うためのDNAマーカーの開発を目的に行っている。
 
交配
植物の場合、人工的にある品種の花粉を違う品種に受粉させること。イネやエダマメは通常、雄しべの花粉が、同じ花の雌しべに受粉するので、そこからできる種子を育てると、植物の性質は親と同じものになる。
しかし、人間が異なる品種の花粉を受粉すれば、そこからできる種子を育てると、花粉親と母本(雌しべの親)の両方の性質を持った植物になる。
 
高発現
遺伝子の発現を人工的に高めること。SODAPXの遺伝子にはそれぞれの酵素を作るための情報が含まれている。この情報に基づいて、酵素が作られることを「遺伝子の発現」という。遺伝子の発現を高めると、その結果、遺伝子の産物であるタンパク質が多量に作られるため、活性酸素を除去する能力が強化されることになる。
 
固定系統
固定系統とは、親と子が全く同じ形質を示す系統をいう。通常は,自家受粉(同じ株の花粉を雌しべにつけること)を8〜10代に渡って繰り返して育成するが、葯培養を行うと、花粉起源の半数体植物(通常の植物は、母株からきた染色体セットと花粉親からきた染色体セットの両方をもつ2倍体植物である。半数体植物は、どちらか一方だけで発生した特殊な植物)が得られ、これを2倍体植物に戻すと短期間で固定系統が得られる。
多くの野菜の市販品種では、
一代交雑品種(F1品種)が販売されているが、この場合には、その株から種子を採って栽培すると、親とは異なった様々な株が現れる。
 
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さ行
 
雑種
植物では、花粉親と母本(雌しべの親)が異なる場合、これによって得られた種子を育てると、その植物を雑種という。雑種は花粉親と母本の両方の性質を持っており、雑種を育てて得られた種子を育てると、花粉親の性質を強く持つ植物や、母本の性質が強く現れる植物など、性質の異なった植物が、多数現れる。
 
湿地性カラー
Zantedeschia aethiopicaに代表されるカラーの種類で、湿地を好む。常緑性(一年中地上部が枯死しない)で晩冬から晩春にかけて開花する。
 
弱毒ウイルス(植物ウイルス病ワクチン)
植物に対して感染はするが、全く(あるいはほとんど)被害をもたらさないウイルスのこと。人間に対する病原ウイルスのワクチンとは異なるが、ウイルス病を防除するということから、植物ウイルスワクチン又は、植物用ワクチンとも呼ばれる。
 
弱毒性
ワクチン株は植物に感染しても、強毒ウイルスと比べると症状がかなり軽い。その程度はほとんど症状が無いものから、生育にあまり影響しない軽いモザイク症状までいろいろあるが、このように病原性が弱いことを弱毒性と言う。
 
臭化メチル(Methyl Bromide)
幅広い病原菌やウィルスに対して効果的な土壌消毒剤であるが、オゾン層を破壊することが指摘されており、2005年に全廃されることになっている。
 
秀品
出荷規格の中に、秀・優・良のランクがあり、その中で最も高品質なものが「秀」品である。
 
植物内生菌
健全な人や動物、昆虫の消化器官(特に腸管)の中には、色々な微生物が住んでいることが知られている。同じように、植物の体内にも、植物に害を及ぼすことなく生息しているカビや細菌などの微生物がいる。それらの微生物を植物内生菌と呼んでいる。植物内生細菌の中には、植物が病気にかかりにくくなったり、害虫に食べられにくくなったりする働きがあるものもあることが判ってきた。そのような有効な植物内生菌を病害虫防除に利用する研究が実施されている。
 
宿主
ある病原体が感染することのできる生物のことを宿主と呼ぶ。植物ウイルスは多くの場合、宿主の範囲は非常に狭く、どのような植物にでも感染できるというわけではない。
 
浸透圧ストレス 
通常、細胞内には糖や無機塩類・アミノ酸が溶けているので細胞内液は一定の浸透圧を示す。細胞内液の浸透圧より低い低張液(たとえば水)に根をつけた場合は根の細胞内に水が入って来るが、細胞内液の浸透圧より高い高張液(15%PEG6000溶液など:PEG6000は高分子化合物の名称で、植物に吸収されない)に根をつけた場合は逆に植物体から水が奪われる。
このように、根部を高張液に浸し浸透圧ストレスをかけることにより乾燥ストレス状態を再現している。
 
スーパーオキシド
活性酸素の一種。酸素が、他の物質と極めて反応しやすい状態(ラジカル)になったもの。生体を構成する物質がスーパーオキシドと反応すると、その物質は破壊されて生体内での働きが失われてしまう。
 
スーパーオキシドディスムターゼ (SOD)
スーパーオキシドを除去する酵素で、あらゆる生物に存在している。体内で発生する有毒なスーパーオキシドを除去し、その毒性によって生体が障害を受けるのを防いでいる。
 
生化学的および免疫組織化学的方法
目的のタンパク質の存在場所を明らかにするために、生化学の分野で使われる方法(電気泳動法など)や、免疫化学の分野で使われる方法(抗体を用いた組織観察など)のことを指している。
 
世代
植物の場合、種子から植物を育てて枯れるまでを1世代という。そこから得られた種子を育てればそれは次の世代となる。
 
世代促進
交配によって雑種を作った場合、雑種の2世代目はいろいろな植物が現れるので、良い性質の植物を選んで種子を採る。しかし、その種子を育ててもまだ、個体の間でばらつきが生じるので、良い性質が安定して、新しい品種として認められるように採種を続けなければならない。
そこで品種育成を早めるために、ハウス内で、暖房や照明を利用し、栽培に適した環境を作ることにより1年間に数世代の栽培と採種が行えるようにして、品種育成の期間を短縮する。このように品種育成を早めるために早く世代を進めることを「世代促進」と言う。
 
組織培養
植物や動物の体の一部(組織、器官、細胞)を切り取って、無菌的な条件下で栄養分を与えて、生育・増殖させる技術で、植物では完全な植物体に再生させることができる。遺伝子組換えや細胞融合などバイオテクノロジーを利用する際に基盤となる技術である。
 
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た行
 
土入れ
サトイモは、植物学的には「茎」が太って芋になるため、大きくなるにしたがって地上部へ伸び出してくる。しかし、土から空中に出てしまうと、乾燥して芋が大きくならず、芋からの新根の発生も少なくなって生育が停滞する。そこで、株が大きくなるのに合わせて少しずつ株元に土を被せる必要がある。
特に「えびいも」では、子芋を大型でエビのような形に仕上げるため、親株と子株の間に土を詰め込むように土入れを行う。この作業は、盛夏期に行うが、5回程度に分けて合計30cmもの高さに土を株元に盛るので、たいへん重労働である。
他には、良質のタケノコを採るために行なうタケノコ園への土入れもよく知られている。
 
艶無し果
ナスの果実は、幼果のうちはツヤツヤ・ピカピカしているが、果実の肥大・成熟に伴い艶が無くなってくる。ナスは未成熟果で収穫するので、通常は艶があるうちに収穫するが、水不足などで樹が弱り果実肥大が抑えられると、収穫サイズになる前に樹上で艶が無くなり、規格外となって出荷できなくなる。
 
DNAマーカー
1つ1つの植物個体を特徴づけるために用いられるDNA上のしるしのこと。このDNAマーカーの中で農業上有用な遺伝子と強く連鎖したマーカーは、育種における選抜の際に選抜マーカーとして有効に利用することができる。
 
伝統野菜
京料理等を支える野菜として、古くから京都の農家が今日まで守り育ててきた特産野菜を称していう。京都府ではこれらの伝統野菜をベースにブランド認定し、「京のブランド農産物」として流通・販売を行っている。
 
導管
植物の根から吸収された養水分等を地上部へ運ぶ組織。ホウレンソウ萎凋病菌は導管部を侵すため、根からの吸水が不足して、地上部が萎凋し枯死する。
 
土壌消毒
植物が罹(かか)る病気には、地上部の茎葉が罹病(りびょう)する地上部病害と、地下部の根が罹病する土壌病害がある。土壌病害は土壌中の病原菌によって引き起こされる病害である。
土壌は物理的、化学的、生物的な要因が複雑に絡み合っているため、土壌病害に有効な農薬が少なく、また一般的にその防除効果が低い傾向にある。そこで、ガス化する農薬で土壌全体を消毒する「土壌消毒」という方法が行われている。しかし、この土壌消毒には、1)病原菌だけでなく土壌中の多くの微生物を死滅させる、2)土壌消毒剤の1種である
臭化メチルは地球温暖化の原因ガスの1つであり、近い将来使用が禁止される、等の問題があり、代替となる防除方法の開発が望まれています。
 
突然変異育種
突然変異とは、遺伝子(DNA)に何らかの変化が起き、形質が変化することである。もともと低率で自然に起きる現象であるが、人為的に放射線照射や化学物質処理、組織培養などを行うことにより、高率で突然変異を誘起することができる。突然変異した個体は、多くは劣悪な形質を持つことが多いが、中には稀に優れた形質を持つものが出現することがあり、これを利用するのが突然変異育種である。
 
トリプシン
タンパク質分解酵素の一種。食物タンパク質の消化を行う他に、キモトリプシンなど他の酵素前駆体の活性化の役割も担っている。
 
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な行
 
農業形質
生物の持つ性質は遺伝学の用語で「形質」と呼ばれる。農作物として着目すべき形質は多数あるが、ある種のウィルスに対する抵抗性のように、単一の遺伝子で決まる形質もある。
一方、収量や品質といった農業的に重要な形質の多くは、気候等の環境の影響を受けやすく、しかも複数の遺伝子が複雑に作用する「量的な形質」であると考えられている。最近では、DNAマーカーを用いた分析手法により、このような量的な形質に関与する遺伝子の数や影響度を推定することも可能になった。
は行
 
胚芽
休眠中の種子植物に含まれ、後の植物体となる部分をいう。食品としての栄養価が高く、日常生活でも利用されている(胚芽パン、発芽玄米など)。
 
培養再生系統
組織培養により葉片や花びら、葯などの器官や細胞から完全な植物体に再生させた植物体を起源とする系統。葯培養で得られる再生系統は、半数体である花粉由来の再生系統で、遺伝的に固定している。
 
BC
戻し交配(バッククロス)の略で交配に用いた片親を再度交配することをいう。BCの後に続く数字は戻し交配を行った回数を示し、例えばBC3は3回の戻し交配を行った世代であり、BC3F2はBC3を自家受粉させた次の世代である。
 
畑地性カラー
常緑性の湿地性カラーとは異なり、冬には地上部が枯死して休眠に入る。排水性の良い土壌を好み、春から初夏にかけて開花する。カラー( Zantedeschia)には7種2亜種が知られているが、Z. aethiopicaおよびZ. odorata以外の種(Z. elliottiana、Z. rehmanii、Z. pentlandii など)はすべて畑地性カラーに含まれる。
 
非形質転換体
外来の遺伝子を細胞に導入することを形質転換と言うが、それに対して形質転換されていない通常の個体のことを非形質転換体と言う。
 
PCR法
ポリメーラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)法の略。DNAポリメラーゼと呼ばれる、もとのDNA鎖を利用して新しいDNA鎖を合成する酵素を利用し、DNAを繰り返し複製させる方法。DNA中にある複製したい塩基配列の始めと終わりの部分と相補的な短いDNA断片(プライマー)を作り、もとのDNAと結合させ、その部分をスタートとしてDNAポリメラーゼにより目的の領域をコピーさせる。PCRは非常に鋭敏な方法で、ナノグラム(10-9グラム)単位のごく微量のDNAからでも目的のDNAを多量に増やすことができる。
 
非閉鎖系温室
遺伝子組み換え植物の安全性評価は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年6月公布、16年2月施行)」に基づいて行われる。第一に空調、排水などすべてにおいて隔離された閉鎖系温室で安全性を評価した後、安全性の確認されたものについて第二段階として、空気の出入りは自由であるがそのほかは隔離された非閉鎖系温室での安全性評価を行う。非閉鎖系温室は通常のガラス室に前室および高圧滅菌器が備え付けられている。
 
病害抵抗性(抵抗性品種)
植物に病気を引き起こす原因が「病原」であり、これには糸状菌(カビ)や細菌、線虫、ウイルス、昆虫、動物などの多くの原因が含まれる。これらの病原に打ち勝つ性質を病害抵抗性と呼び、病害抵抗性を示す品種を「抵抗性品種」と呼ぶ。病害抵抗性には、環境等の影響を受けにくい“真性抵抗性”と、多数の遺伝子と環境の相互作用によるものと考えられる“圃場抵抗性”とに大別される。
 
不良環境条件
人間にも快適に過ごせる気温や湿度があるように、植物にも、それぞれの種(しゅ)に適した生育環境条件がある。温度、光の強さ、土壌中の養水分量、土壌酸度(pH)などに、好適な範囲がある。
これらが好適な範囲から外れると、つまり不良環境条件では、植物の発芽や生育が抑制され、激しい場合には種子が全く発芽しなかったり、植物体が腐敗・枯死したりする。
 
防除効果
病気になるのを防ぐ効果のことでこの場合は、強毒ウイルスによる発病を抑える効果を示す。たとえば、ワクチン接種したキュウリの発病株率やその症状の程度などを無処理のものと比較する。防除価(100−ワクチン接種区/無処理区×100)として表すこともあり、100であれば完全に防いでいることになる。防除が難しいウイルス病の場合、50を超えれば実用性があると言える。
 
ホウレンソウ萎凋(いちょう)病
夏採りホウレンソウ栽培で発生しやすく、土壌中のカビ(フザリウム菌 Fusarium oxysporum f.sp. Spinaciae)によって引き起こされる病気である。フザリウム菌がホウレンソウの根を腐敗させるため、根からの水分の上昇が不足し、地上部が萎凋して枯死する。ホウレンソウを一年中栽培している周年栽培圃場で多発する。本病害に対する抵抗性品種がなく、また、土壌消毒以外に有効な農薬がないことから、防除が困難な「難防除病害」とされている。
 
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ま行
 
マイクロサテライト
マイクロサテライト(Microsatelite)、SSR(Simple-sequence Repeat)、Short Tandem Repeat等多くの呼称がある。植物を含む多くの高等生物のDNAには単純な繰り返し配列(例えば、CTCTCT・・・・,TATATA・・・・など)が数多くある。これらは遺伝子としては働いておらず変異が多いとされる。このため近年、マイクロサテライトはDNAマーカーとして注目され、連鎖地図の作製や品種の識別、ゲノム相同性、生態学の研究など幅広い研究分野で利用されている。
 
mRNA(メッセンジャー・アール・エヌ・エイ)
伝令RNAともいわれる。RNA分子の中でタンパク質の翻訳の鋳型になる。
や行
 
葯培養
雄しべの中で花粉が入った袋が葯と呼ばれている。この葯を材料にして組織培養を行うことにより花粉から再生した植物は遺伝的に固定された個体となる。したがって、通常は自家受粉を何度も繰り返し行う固定の作業期間が、葯培養により大幅に短縮することが可能となる。
 
有用形質
農業上有用な特性のことであり、病気や害虫に対する抵抗性、生産性に関わる形質、品質に関わる形質などのことをいう。
ら行
 
連鎖
遺伝子は染色体上にあり親から子供へ伝わっていく。ここで、ある2つの遺伝子が同じ染色体上にあって、その間の距離が近い場合、2つの遺伝子は相伴って伝わりやすくなる。この現象を連鎖という。
 
ロックウール栽培
ロックウールとは、玄武岩または製鉄のスラブ(残りカス)を高温で溶かした後、繊維化したもの。堆積した後に一定のサイズに切断したキューブタイプと、粒状化した粒状綿がある。これらに植物を定植し、肥料を水に溶かした養液で栽培する方法。
わ行
 
 
 
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